稚葉の一周年 [後編]
気が付けば3月も最終週。 社会人の方々は決算でえらい大変な時期でしょう。 局長です。
学生たちは春休みに突入したのだろうか。 新学期にそなえて充電しておくといいですよ。
――― さて、昨日のつづき。 後編である。

手負いの野良猫を保護し、“稚葉”(わかば)と名付けて我が家で育て始めてから、一周年。
細身でツリ目の三毛猫だった彼女も、気が付けば丸顔で穏やかな表情に。
ずいぶん飼い猫らしくなってきた。

ここが稚葉のお気に入りの場所。
ほんのり温かいせいか、ファンヒーターを運転中は必ず乗っかっている。
この辺りは野良時代に鍛えた、暖かい場所を見つけ出す嗅覚だろうか。

あとは、俺の足の上。
そこに先客がいようとお構いなしだ。
人肌の温もりを知ってからというもの、俺が横になると必ず乗ってくるようになった。

お腹が空けば、お皿の前で無言の催促。
一年前までは、ゴミを漁ったり、猫好きの人にエサをもらったりと、その日その日を必死に食いつないでいたのだろうが、今では 「待ってればメシが出てくる」 という環境に完全に馴れてしまっている。
その、記念すべき一周年となった3月23日の日曜日―――

俺は、ある場所へと向かった。
小高い丘の上にある開けた場所。
しっかりと整備された芝生が広がっている。

とあるペット霊園の中にある合同慰霊碑。
そう、一年前に稚葉を保護して病院へ連れて行ったとき、俺の不注意で稚葉が身ごもっていた5匹の赤ちゃんに気付かず、殺してしまったのだ。

堕胎という形になってしまった赤ちゃんたちは、病院からこのペット霊園に引き取られて供養していただいていた。
本当は稚葉を連れて来てあげたかったのだが、未だ脱走癖があるので、危険が大き過ぎて断念。
代わりに真熊にお参りしてもらった。

そして、一年が経過したことで、俺も決意を新たに、生まれてくることができなかった5匹の赤ちゃんに誓った。
稚葉は里子には出さず、俺の手で彼女の生涯を面倒見てゆくと。

稚葉が来た当初は、先住の動物たちは3匹とも拒絶反応を示し、それぞれが激しいストレスに見舞われていた。
このままでは、みんなが不幸せになってしまうと思い、里親さんを探していた。

しかし、一年経った今のこの光景を見れば、それはもう無用な心配だという確信がもてた。
まだまだぎこちないが、4匹はちゃんと兄妹になろうとしていると思う。
だから俺も、先住の3匹と同じように愛情を注いであげなくてはならない。

ということで、俺にとっては初の娘。
これからも大切に育てていこうと思う。
きっと、もっと4匹は仲良くなれると思う。 多分・・・・・
ひょんなことから妹ができてしまった3匹のオスと、娘ができてしまった俺に―――

野良猫時代よりも幸せだと感じてくれれば
俺も少しは報われるが実際はどうなんだろ…

いつもアリガトウございます m(_ _)m
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【今日の一言】
これまで稚葉の里親をご検討いただいた、すべての皆さまに心より感謝を申し上げます。
| 稚葉 | 01:11 | comments:24 | trackbacks:0 | TOP↑